水没車・冠水車の購入は避けるべき!6つの見分け方や定義を詳しく解説

水没車を購入しないためのチェックポイント

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世の中には水没車(冠水車・水害車)と呼ばれる車があります。

台風による洪水や大雨などの水害で被害を受けた車、運転操作のミスで河川や海に入ってしまった車のことです。

水没車の価値は非常に低いため、お買い得中古車として名を連ねることもしばしば。

ただし結論から言うと、水没車の購入はおすすめできません

そこで今回は中古車購入の際に使える水没車の見分け方について説明していきます。

これから中古車購入をお考えの方は、是非参考にしてみてくださいね。

目次

そもそも水没車の定義とは?

そもそも水没車とは?

水没車とは名前の通り水没してしまった車のことで、冠水車・水害車とも呼ばれます。

下記はJAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)に明記された「冠水車」の減点基準です。

  • 車内の床面(フロア)までの水没……買取減点率30%
  • 車内のクッションシートまでの水没……買取減点率40%
  • 車内のダッシュパネルまでの水没……買取減点率50%

「水没車はもう動かない」と思われがちですが、浸水の程度によっては修理すれば動く車も。

買取後の簡易的な修理で済むケースも多く、中古車として店頭に並ぶことも往々にしてあります。

また買取時の査定評価はかなり低いため、格安すぎる中古車は水没車である可能性も視野に入れましょう。

水没車・冠水車・水害車で違いはある?

JAAIでは呼称の違いについて明確な提示をしていませんが、一般的には以下のように扱われます。

  • 水没車:車全体が水に沈んだことのある車両(浸水の程度が高い)
  • 冠水車:車体が水を被ったこのある車体(浸水の程度が低い)
  • 水害車:水没車・冠水車の総称

明確な定義はないので一概に言えませんが、「水没車」の方が水害による被害が大きい意味で広く使用されています。

【考えられるリスク】水没車を購入すべきではない理由

水没車を避けるべき理由

水没車を購入するべきではない理由は大きく以下の2つです。

  • 臭いや害虫・細菌の元になるため衛生的に悪い
  • 車のエンジンは水に弱く、故障のリスクが高い

洪水や河川から氾濫した水は下水道や排水溝から流れ出た汚水が大量に含まれているため、においや害虫の発生原因になります。

汚水による水没はよりカビや細菌が発生しやすく、衛生面が非常に悪いです。

さらに浸水の影響でエンジンなどの電気系統の故障リスクが高く、乗っているうちに故障してしまう恐れもあります。

万が一購入後に不具合が起きても、水に浸かったことによる修理や部品交換は高額です。

エンジンの交換には少なくとも10万円~100万円近い費用がかかるでしょう。

いくら激安で中古車を手に入れても気持ちよく乗れず、修理費用で損をする可能性も考えられます。

購入した激安中古車が水没車・冠水車だった場合の対応

基本的に中古車は返品ができず、クーリングオフの適用もないのが現状です。

稀に独自の保証で返品保証・クーリングオフに対応してくれる業者も存在しますが、対応がない業者で購入した場合はご自身で処分するしかありません。

中古車を販売している業者には、顧客に水没車ということを伝えずに販売する詐欺まがいの悪徳業者がいるのも事実です。

中古車購入の際は依頼する購入業者にも留意しましょう。

[aside type=”normal”]「水没車かどうか」を購入者が確認した場合は返品・返金が効くケースも

後述しますが、水没車であるかどうかの表示義務は販売業者にありません。

そのため水没車であることを黙っていても、業者側に落ち度はないと判断されてしまいます。

ただし購入時に「水没車かどうか」を購入者が確認し、水没車であるにも関わらず「水没車ではない」と業者が言い切った場合は別。

業者側の落ち度として重要事項告知義務違反に科せられ、何らかの対処は可能であるケースが多いです。

【チェックポイントは6つ】水没車の見分け方

以下では中古車を購入する際に水没車かどうかを見分けるポイント6つをお伝えします。

中古車購入時に水没の経歴はわからないので、ある程度は自分で見極める必要性が。

前述しましたが、中古車販売店に水没車であるかどうかの表示義務はありません。

表示義務があるのは車の骨格(フレーム)修理や交換をした車で、「修理歴車」と表示されます。

水没車は車の骨格修復や修理をしたわけではないため、修復歴車とすら表示されないのです。

もちろん「水没車」「冠水歴車」と表示している店舗もありますが、”激安中古車”として中古車市場に出回っているケースもあることは覚えておきましょう。

チェックポイント①:ドア内張の汚れや張替え跡

まず1つ目のチェックポイントは、ドアの内張です。

ドア内張りに以下の特徴があるかどうか確認しましょう。

  • ドアの内張、内部にあるシーリングスクリーンにはがし跡がある
  • 接着剤(ブチルゴム)に粉末状の汚れがついている
  • 各トリム類の製造年月、初度登録車と年式に誤差がある

浸水した車両はドア内張を交換している可能性が高いため、欠かさずにチェックしましょう。

チェックポイント②:シートベルトの変色

シートベルトの変色は水没車の証拠

一度車内が冠水した水没車の場合は、シートベルトに変色が見られるケースが多いです。

以下のやり方でシートベルトを確認してみてください。

  1. シートベルトを最後まで引き出す
  2. 隠れていた部分に「茶色っぽい汚れ」「大きく変色している部分」があるか確認

リトラクター内の見えない部分に汚れや変色があった場合は、水没車である可能性が極めて高いです。

シートベルトの変色は洗浄してもなかなか元に戻らないため、水没車の動かぬ証拠となります。

チェックポイント③:エンジンルームのサビ・腐食・汚れ

エンジンルームでは以下の点を確認してみましょう。

  • シリンダブロックとヘッドカバーボルトがサビついている
  • アルミ製部品が腐食・変色している
  • ラジエータコアサポートやエアコンコンデンサが変色している・粉末状の汚れがついている

腐食や変色・サビつきがあるかどうかは水害車と見極めやすい部分なので、必ずチェックしておくべきところです。

[aside type=”normal”]エンジンルーム以外でサビや腐食がチェックできる部分

サビや腐食があるかどうかはエンジンルームに限らず、以下の部分でもチェックできます。

  • トランクルーム
  • 内装でパネルを外せる部分の縁
  • シート下のシートレール

エンジンルームにはオイル汚れもあり変色を見抜くのが難しいですが、上記であれば誰でもチェックできますね。

チェックポイント④:トランクルームの変形・汚れ

水没車である場合は、トランクルームに以下のような特徴があります。

  • 工具格納トリムボードが変形している
  • 工具やジャッキがサビついている・粉末状の汚れがついている
  • トランクマットと内張が交換されている
  • トランクルーム内がサビついている・カビ臭い

車内居住空間のクリーニングは徹底していても、トランクルームはないがしろになりがち。

トランクルームの状態から、本来の車内居住空間の状態を見極めることができますよ。

チェックポイント⑤:車内やエアコンを付けたときの臭い

水没車は臭いでわかりやすい

水没車であるとサビの他に、カビのような「におい」がすることが多いです。

特にエアコンからの臭いは気づきやすいでしょう。

一度水に浸かることで車内にカビが発生しやすくなります。

車内居住空間は清掃できたとしても、車体内部のカビを全て取り除くのは不可能です。

業者側はエアコンのフィルター洗浄やパイプ交換によって消臭しようとします。

ですが車体内部にカビが発生してる場合、エアコンをつければ一発で分かるでしょう。

チェックポイント⑥:添付書類の有無等

中古車を購入する際、添付書類について以下の点があった場合は水没車である可能性が高いです。

  • 検査証や自賠責保険証が汚れている・再発行されている
  • 取扱説明書や整備手帳が汚れている・紛失している

水没車は必要書類が再発行されていたり、紛失しているケースが多いです。

添付書類が正常な状態で添付されているかもきちんと確認しましょう。

水没車を購入しないためにおさえるべき3つのポイント

以下では水没車の購入を避けるために注意するべき点をまとめました。

繰り返しになりますが、販売業者に水没車であることの表示義務はありません。

「確認を怠って水没車を購入してしまった」なんてことを防ぐためにも以下を徹底しましょう。

ポイント①:検討している実車を気温・湿度の高い日に見てみる

高温多湿の日に見てみる

前提として、水没車は車内に水分を含んだ状態です。

高温多湿の日は車内の水気が蒸発してフロントガラスが曇ることがあります。

また見えないところに溜まったゴミや泥が腐って異臭を放つので、水没車だった場合は臭いが気になりやすいです。

条件を満たしやすい気候としては夏場ですが、冬場でもなるべく気温の高い日中に実車を見てみましょう。

ポイント②:明らかに激安すぎる場合は理由を聞く

妙に安すぎると感じた場合は即決せず、まずは「なぜ安いのか」店舗に確認しましょう。

水没車であることの表示義務はありませんが、中古車販売店には「重要事項告知義務」があります。

安全にかかわる事項について嘘をつけば告知義務違反になるのです。

消費者契約法では「売る側」が嘘をついた場合、不当な勧誘による契約の取り消し不当な契約条項の無効が規定されています。

※不当な契約条項:不良品とわかって売ったものに対して返品不可と契約項目に書かれていたなど

【消費者契約法第4条】

消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

一 重要事項について事実と異なることを告げること。

当該告げられた内容が事実であるとの誤認

消費者契約法第四条より

該当する場合は契約の解消が可能なので、遠慮せず「なぜ安いんですか?」「この車は水没車ですか?」と聞いてしまうのが得策です。

ポイント③:車探しのプロに相談する

車探しのプロに相談してみる

中古車探しの際は、希望条件に合う中古車を紹介・提案してくれる業者やサイトがあります。

実車を見ることができないため不安な方も多いと思いますが、車探しを請け負うのは知識豊富な専門スタッフです。

また業者を選べば返品・返金が可能な業者や、充実の保証を付けてくれるサイトもあります。

車の知識についてご不安がある方は、車探しのプロに頼ってみることも選択肢に入れてみてくださいね。

ディーラーでの中古車購入について詳しく解説しているため、ぜひ参考にしましょう!

【水没車を売りたい人へ】売却先は程度によって異なる

水没車の売却先は程度によって異なる

水没車をなるべく高く売りたい・手放したい方は、水没の程度によって売却先を変えると効果的です。

  • 軽度の水没(フロア程度までの水没)
    ディーラーでの下取り・中古車販売店での買取を利用
  • 重度の水没(シートやダッシュパネル、エンジン上部までの水没)
    廃車買取業者を利用

水没したのがフロアまでの場合、車両を清掃すれば新たな売却先に繋がることもあります。

ただし床下にエンジンのあるミニバンや軽自動車は例外です。

フロアまで浸水したということはエンジンも水に浸かっているため、再使用という選択肢はありません。

エンジンまで水没している場合は、廃車専門業者を利用しましょう。

たとえ車自体は使い物にならないとしても、分解したパーツには需要がある可能性があります。

また個人で売買したい方は、水没車であることを明記した上でオークションにかけるという手も。

水没車であってもパーツがほしい業者は高く競り落としてくれます。

廃車専門業者に関しては、以下の記事でおすすめ業者等詳しくご紹介しています。

[kanren postid=”191″]

中古車買取は、まず一括査定サイトの利用が便利です。

以下の記事ではおすすめの一括査定をご紹介していますので、合わせて参照してみてください。

>>【2021年最新】車一括査定サイトランキングTOP5!本当におすすめのとこだけ厳選して紹介

水没車に関するQ&A

Q1.水没車の買取を専門に行なっている業者はある?

廃車買取専門業者の中には、水没車の買取を専門に行なっている業者もあります。

というのも日本の激安水没車は、以下の理由から海外でかなりの人気があるのです。

  • 日本の車修理技術が高く、水没車でも気にしない風土の国もある
  • 水没車であれば上質な日本車を安く仕入れられる

日本の自動車メーカーが培ってきた実績と信頼から、海外では「水没車であっても日本車なら大丈夫」と判断する国もあります。

水没車買取の場合は海外への輸出ルートを確立している業者を探すと、高額買取に期待できるでしょう。

Q2.水没車が市場に出回りやすいタイミングはいつ?

水没車は比較的大きな水害や台風が起きた後に出回りやすいです。

昨今の日本国内では自然災害による水害が多いため、夏場~秋口にかけて出回る激安中古車には注意しましょう。

また冬口になって売れ残っている場合は、さらに安くなって販売されている可能性もあります。

安いからと言って安易に購入を決めるのではなく、確認事項のチェックは怠らないようにしてくださいね。

【水没車を避けるために】信頼できる業者から安全な中古車を購入しましょう

中古車を選ぶ際は業者ごとの加盟協会や運営母体をきちんと調べ、安全を確認してから購入しましょう。

水没車を購入しないためにはまず何よりも、信頼できる業者から中古車を購入することが大切です。

中古車の購入は決して小さな買い物ではありません。

これからの人生に大きく関わる買い物ですから、慎重に判断してくださいね。

中古車選びのポイントについて、注意点を踏まえて分かりやすく解説しているのでチェックしましょう!

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この記事を書いた人

株式会社イードが運営する自動車メディア・カーライゼーションのコンテンツ作成を担当。コンテンツ作成の根拠・流れは左記ページでも詳しくご紹介しています。

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